…最初は、単にスレ住人の期待に応えてるだけだった。本当にそれだけ。
けど…いつからだろ、自分で自分を描いてるうちに、自分が誰かに見られてる
ような気がする。
長い髪、おっきな瞳、やわらかそうな身体…理想の自分が、ネット越しの
知らない誰かに微笑みかける。
下書きではきちっと前を閉じて描かれていたシャツのボタンを、ひとつひとつ
開けてゆくと、自然と息が乱れ、タブペンを握る指が震えてくる。
気が付くと、一緒にシャツのボタンを外している自分がいる。
胸のまろみ、下着のしわを描き込む時、もっともっと、見ている誰かに
興奮してほしい…と願う自分がいる。
自分でも、恥ずかしい…と思う。はしたないと思う。
でも、とまらない。
タブペンを走らせる指が…身体を這い回る指が、とめられない。

絵が完成に近づくにつれ、いつも感じる不安と興奮が強くなる。
”これ…アップしたら、みんなにどう思われちゃうんだろ…”

   みんな、喜んでくれる?
    可愛いって言ってくれる?
     えっちなことしたいって、おもう?
    みんなに喜んでほしくて、今日はこんなに
     えっちなかっこしてみたんだよ?

アップロードの準備を済ませて、持っていたタブペンをそろそろと
スカートの中へ忍ばせる。
アップロード前の、いつもの儀式…
うずうずがとまらないぼくの羞恥心に、タブペンの柄を押し当てる。

   ”んぁ…ふぅっ…”

ゆっくりとこねまわし、つつき、なであげる。その刺激に思わず
はしたない声が漏れてしまう。
恥ずかしい…でも気持ちいい…たまんない。
ぼくはおずおずと、でもしっかりとタブペンを中に沈めてゆく。

   ”ひぁッ!…ううぅン…きもち、い…い……はぁっ”

ペン越しに、自分の中がこすりあげられる感触が伝わってくる。
その度にガマンできないほどの電流が流れ、全身をぴくぴくさせる。
胸の方もまるで下と直結してるみたいに、ちょっと触っただけで
痛いくらい気持ちいい。

   ”んっ…見てる…みんなぼくのこと見てるのぉ…”

画面の中の自分は、えっちだけど大事な部分は隠してある。
でもきっと、これを見た誰かは、その大事な部分の下を想像してるんだ。
どんなに隠したって全部、ぼくの恥ずかしいところを全部見られちゃうんだ…

   ”ここもっ…こんなに恥ずかしくふくれあがってるここも、全部…”

きっと今こうしているぼくの姿も丸見えなんだ。
みんなぼくがいつもこんな事してるのを知ってるんだ。
ぼくの絵を見ながら、ぼくのはしたない儀式を想像して、一緒に気持ちよく
なってるに違いないんだ…

   ”み、見てて…ぼくがイくところ、見てぇぇッ!! イっくぅぅ……ッ!!”

全身くまなく修正液まみれにされる姿を想像しながら、ぼくの頭は
まっしろになっていった…

…何か、絵を描く度、儀式をする度に、どんどん良くなってく気がする…
15歳でこんなに良かったら、大人になったらどうなっちゃうんだろ?
これからの事を少し不安に思いながら、ぼくはアップローダの送信ボタンを押した。


   <終>